director's voice

加藤キナさんより

革の加藤キナさんより届いたメッセージをご紹介します。

Q1
図録掲載作品のタイトルと作品についてのコメントをお寄せください。
ほかに、出品くださる作品がありましたらお教えくださいますか。

A1

暖かな陽だまり
光の束が キラキラ輝く

花はヒカリ
イノチ輝く 太陽からの贈り物

ヒナタ ハナタバ

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「鹿革長財布 ヒナタハナタバ」
鹿角・ゴールド・真鍮

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チカチカ瞬く 夜空の星
キンと冷えた大気の中で
交わされる 小さな囁き

真夜中の時間だけが知っている
遠い昔の物語り

ヨナカ ホシボシ

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「鹿革長財布 ヨナカホシボシ」
水牛角・ゴールド・シルバー

 

三部作でお届けいたします。

Q2
図録冊子がお手元に届いた時の感想をお聞かせください。

A2
読み進むうち
美しいものをつくる人は
言葉も美しい‥ そう思いました。

自分の欲するカタチを
明確に 言葉にすることができるということは
それをつくるための手順が見えているという事。

物つくりにも
言葉が大切なのだと そう思いました。

Q3
12月2日いちにちだけコルトンホールに現れる「作り手の本棚」。
加藤キナさんは、どのような本をお持ちくださいますか。

A3
私たちの本棚からは2冊の本を。

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アンデルセン「絵のない絵本」

藤城清治さんの影絵のピエロが表紙になった 小さな本。

母方の祖父は学校の先生をやっており、郷土史の研究もしていました。
書斎にはズラリと難しそうな本。
廊下にもずらり 本棚が並んでいました。

誕生日が近づくと、祖父は孫たちの性格や年齢を考慮しながら、
廊下の本棚からひょいっと選んで、本をプレゼントしてくれるのが常でした。

その中で、今でも大切にしているのが
アンデルセンの「絵のない絵本」

語られることのない言葉を聞き、
見えることのない世界を想像する力。

それは、物つくりのために欠くことのできない力なのだと感じています。

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小野寺啓治 「手仕事のデザインー伝統工芸の再認識」

文学を学んでいた学生時代、とても面白い授業がありました。
色鉛筆でマーキングされたその教科書は、
それから20年、捨てられることなく本棚に居座り続けます。

革の仕事をする身になって驚くことは、
赤い色鉛筆で丸くマーキングされた箇所に
日本の革工芸の、失われてしまった技法の名があったこと。

現在、その技法を復活させるために取り組んでいる私たち。
残念なことに、先生は数年前に他界されており、
詳しいお話をお聞きする機会は失われてしまいましたが、
改めて読み返すだけでも勇気をいただけます。

革も工芸である そう断言してくださる小野寺先生を偲んで。

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いつも丁寧に仕事に立ち向かうおふたり。
「丁寧」は、工藝や手仕事というこのジャンルでは当たり前のことでもあるのですが、
制作という点だけではなく、やりとりひとつひとつ、
作ることと生きていくことの結びつきの丁寧さに、
気づけば教えられることばかりのおふたりです。
といっても、小難しいことはなにもなくて、
お会いすれば、わはは、と笑い合うばかりなのですが。
3部作のお財布、拝見できるのが楽しみです。

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